日本eスポーツ連合が定めるプロゲーマーの定義
百歩譲って、プロゲーマーという職種が公に認められることは良しとしよう。どんなかたちにせよ結果的に賞金制大会が開催されたり、プロゲーマーが日の目をみる機会が増えるのは良いことだ。日本には国家から民間まで様々な資格があり、技術として認められている。プロゲーマーもその一部と考えればいい。
日本eスポーツ連合が定めたプロゲーマーの定義とはどんなものなのか。ライセンスを持つために必要なものはなんなのか。
プロゲーマーの定義
- プロフェッショナルとしての自覚を持つこと。
- スポーツマンシップに則り、プレイすること。
- プレイ技術の向上に日々精進努力すること。
- 国内eスポーツの発展に寄与すること。
ライセンス発行対象
- 前述のプロゲーマーの定義に誓約していること。
- 当連合公認大会において公認タイトルの競技で優秀な成績を収めること。
- 当連合の指定する講習を受けること。
試験などはなく、実質必要なのは公認大会における実績のみだ。あとの項目は心構えの問題で、個人の問題となる。例外的に公認大会でなくても過去実績によりライセンスを付与されることがあるそうだ。ただし、IPホルダーの推薦があればという限定付き。
さらにライセンスにはいくつか種類があり、年齢とチームに分かれている。
まずは15歳以上に与えられる「プロライセンス」。次に13歳以上15歳未満に与えられる「ジュニアライセンス」。そしてeスポーツチームに与えられる「チームライセンス」の3種類がある。なお、チームライセンスは法人格を所有している必要がある。
2018年2月現在、プロライセンスを持つユーザーは53名、6チーム。これだけいるのにも関わらず、公式スケジュールでは今後の大会の予定は一切公表されていない。大なり小なり公認大会がなければプロとして成り立たないだろう。立ち上げ時に年間スケジュールなどは計画しなかったのだろうか。
本当に求められているeスポーツとは
プロライセンスとは別に、すでに日本国内でプロとして活躍しているプレイヤーは数多く存在している。彼らの多くは海外に遠征して賞金を懸けた大会に出場し、プレイタイトルのインフルエンサーとして動画やブログ、webテレビ出演などを行い、関連スポンサー契約を基本として生活しているだろう。プロの世界は厳しい。結果が出なければプロとして生活していくのは難しい。それについてはどこの業界も一緒だろう。
どこまでいってもeスポーツの主役は選手であるべきだ。例えば、今回プロライセンス認定されたゲームタイトルは、今後同様の公認大会が開かれることを前提に評価されていくだろう。すなわち、ウイニングイレブン2018のコナミ、ストリートファイターのカプコン、パズドラのガンホーなどは確実に利益が見込まれる。これが利権の臭いを漂わせている原因であり、選手ではなく企業主体だと反感を買っている。
これはオリンピックなどで採用されるゲームタイトルも同じことが言える。しかしながら、世界大会においてパズドラもモンストも採用されることは絶対にないだろう。となると、日本国内におけるeスポーツはいづれ二分する事になる。国内マーケティング用のeスポーツと、グローバル競技としてのeスポーツだ。
結局のところ、現状のプロライセンス制度は選手にとって選択肢の一つに過ぎず、大まかな活動は個人または運営チームに委ねられた形となった。
プロとして認めてくれるのは大前提として、プレイヤーが本当に求めているのは、組織としてどこまでサポートとしてくれるのかという点だろうと私は思う。
つづく